ある日、ひょんなことからボードゲームをいただいた。
『真紅のアンティーク』
「卓上探偵団」のメンバーとして事件を解決する推理ゲームだ。
このゲームはマーダーミステリーの一種であり「一度しかプレイできない」特性を持つ。ネタバレは厳禁。
更には、ぼっちでも遊べるという稀有な特性まである。
そのため「お前も遊べ」と、人を集めることも待ちきれずプレイしたファーストオーナーから譲り受けたのだ。
この手のゲームは仲間内で巡り巡るか、GMをするために手元に置くかの二択になる。今回はGM不在でできるゲームのため、また別のユーザーに回すのが良いのだろう。
…が、「これ、RTAできるんじゃね?」とカードを選定し、如何に早く満点クリアを目指すかという奇怪な遊び方をする者もいる。
そう。私だ。
ネタバレで盛り上がりたかった友人は「何か違う」と思ったかもしれない。
マーダーミステリー、所謂マダミスをプレイする上で初心者にハードルを感じさせる点の一つが「犯人役をやりたくない」ことだと言う。
盤上の自分は自分ではないのだが、そう割り切れないのが人である。
心理的に嫌なのだそうな。
これは人狼にも言えることだが、人狼は仲間が必ずいる安心感があってまだやりやすい…と言われた。そんなこと言ってると、お前らも初手で吊られる相方を見送る辛さを味わうことになるぞ!!この後、どぉせぇっちゅうねん。
その点、このゲームはプレイヤーが「卓上探偵団」という仲間であり、協力して事件を解決しようとするため、とても初心者向きだと言える。
真相を突き止めるために、意見が違うことがあっても最終目標は同じ方向を向いている。自分を偽ることも、相手を疑うこともしなくて良いのだ。
ルールブックには「コードネームで呼び合う」ことを提案しており、ゲームに使う調査チップ(チット)には世の名探偵たちの決め台詞が書かれている。
そんな調査チットにどんな名探偵が描かれているかを紹介したい。

「ワトソンくん」と、口が勝手に続けるぐらいにホームズである。
原作では「Elementary」としか言っておらず、明確にワトソンに投げかけたのは舞台での演出なのだとか。言ってない名台詞の代表格である。

これもドラマが初出の言ってない名台詞だ。作品を追うごとに湯川学が福山雅治に寄せられているのが実に興味深い。
…ただ、湯川と聞くと役職が『教授』ではなく『専務』と言いたくなるのはいつまで経っても治らないと思う。湯川秀樹(博士)もいるのに…

右京さんである。本家はこれより丁寧に「よろしいでしょうか」だが。
版権的なアレではなくて文字数的にはいらなかったんだろう。
右京さんの物言いは物腰柔らかそうなのに「ダメです」と言わせない圧を感じるのだが、「いいですか」にした途端になんか誰でも言ってそうな凡庸さを感じる。船越英一郎とか。
ポアロや明智小五郎も居るけれど
「なんか経路がコナンの巻末の名探偵図鑑だな」と思ってしまう。
なんせ、ここには

と、コナンくん本人もいるのだから。
彼の名言と言えば「推理で犯人を追い詰めて、みすみす自殺させちまうような探偵は、殺人者とかわんねーよ」なのだが…

みすみす自殺させちまう探偵もいる。
じっちゃんの解決した事件の犯人、大抵死んでるんだからじっちゃんの名にかけるとそうなるだろ…と横溝正史を読んで思った。はじめちゃんは悪くないんやで、コナン。
ゲームの難度は素直で簡単。はじめてのマダミスに、人を疑い散らかした口直しに、とても良いゲームだと思った。
許されるなら…真紅のアンティークRTAの必要最低限のカード論とか話したい所存である。
